酸化亜鉛透明導電膜抗菌機能を確認

摘要

高知工科大学総合研究所マテリアルデザインセンターの山本哲也センター長らは，液晶パネルや薄膜太陽電池などの透明電極向けに研究開発してきた酸化亜鉛（ZnO）を基材とした透明導電膜が，強い抗菌機能をもつことを確認した．同教授は，「亜鉛が銀や銅と同じく抗菌機能をもつことや，ZnO薄膜表面での強い極性に着目した」．同薄膜の試験では，抗菌性能の基準となる抗菌活性値が，大腸菌は5．1，黄色ブドウ球菌は2．9であった．これらは共に，日本工業規格（JIS）の基準値（2．0）以上を上回る．両菌とも10万個台の菌の数が24時間後には数個に減少した．ZnO透明導電股が発揮する抗菌機能ほ酸化チタンなどで見られる光触梶機能とは異なり，光を必要としないことに特徴がある．