音響計測技術の最新動向：最近の音響パワーレベル計測＜通則に基づいて個別規格がつくられる＞

摘要

各種機器が、その目的とする機能を発揮するために何らかの機械的な動きをすると、それにつれて周りの空気が振動し、その音が人の耳に届いた際、場合によっては騒音と認識される。 ある特定の音が、明らかに騒音と認識されるような状況においては、その物理的な特性や、人間への直接的又は潜在的な影響を把握、評価し、管理することは、環境の保全、作業効率の維持向上、安全衛生等々、多くの局面において重要である。 そのような、いわゆる騒音制御の主要な側面において、発生する騒音を物理的手段で定量化するために、従来、特定の位置におけるA特性音圧レベル（騒音レベルと呼ぶ）を計測することが多かった。 しかし、昨今は、これに代えて、機器から出る騒音そのものに視点が移り、A特性音響パワーレベルにより機器騒音の管理（又は規制）を行うことが多くなってきている。 本稿では．このA特性音響パワーレベルによる各種の要求の概要と、その管理を支える計測技術標準の動向について解説する。