多目的超音波測定装置＜音速·厚さ計測、ボルト軸力計測、探傷、劣化·疲労·硬度計測＞

摘要

材料評価への超音波の応用はこれまで探傷への利用が中心であり、材料計測への適用は限定されていた。 その理由は計測精度が低かったことと、簡易で低廉な装置の開発がむずかしかったことによる。 探傷は界面での反射を利用したものであるが、超音波にはその他色々な特性がある。超音波は固体材料を伝搬するとき、材種（セラミックスとポリマーでは大きな差がある）や結晶構造、粒径、応力状態によって伝搬時間、音圧、周波数、位相等々が微妙に変化する。本測定装置は各種材料の諸特性を上記超音波パラメータにより評価する目的で開発された。 従来のように異種メーカーのパルサー·レシバーとオシロスコープを組み合わせても高精度が得られない。 そこで同期させた高精度(10bits)、低廉、小型のPCI用パルサー·レシバーとA/D変換ボードを新たに開発し、本装置に搭載させた。 デスクトップ型とハンディ型の2種類が用意されている。 デスクトップ型の外観を写真1に示す。 ここでは、音速·厚さ計測、ボルト軸力計測、探傷、劣化·疲労·硬度計測につき概説する。