地域連携の構築：日米自然科学博物館事業: 熊本県とモンタナ州の6つの博物館による教育カリキュラムの開発

摘要

熊本県とモンタナ州の姉妹交流は1982年より開始され，多くの文化的，友好的な交流がされてきた．自然科学系博物館においては，2012年にモンタナ州立大学付属ロッキー博物館（以後，ロッキー博物館と記載）と御船町恐竜博物館が姉妹館提携を締結し，化石のプレパレーションプロジェクトや国際シンポジウムの開催，さらにそれらの成果を活用した特別展の共同開発など，多くのプロジェクトを共同で実施し，博物館利用者を惹きつける取り組みを進めてきた．しかし，地域の博物館がそれぞれの地域において必要とされる存在として活動を継続していくためには，2館の相互交流だけでなく，同じ目的を持って活動する博物館が連携し,発信力を強化していく必要があった．そこで，熊本県とモンタナ州の自然科学系博物館が連携し，ネットワークの形成に取り組むとともに，教育支援技術の向上やアウトリーチ活動の充実，さらには地域における発進力の強化を目指し，教育カリキュラムの共同開発に関する取り組みを行ったので，事例をまじえて紹介する．