粘度測定：八転び七起き（5）－円柱貫入／回転法：(Cylinder Indentation/Rotating Method)

摘要

前回述べた平行平板法を中心にした測定法は測定範囲が広く確度も高い方法であるが，測定のためには円柱状に試料を整形する必要がある．このため，通常，試料を溶融し，適当な鋳型に鋳込み，それを切断·研磨するか，または塊状の試料からダイアモンドのコアドリルで円柱を刳りだして測定試料を作成する．このような切削プロセスではどうしても水を使う必要がある．水の代わりに灯油などの有機液体で代用することもできないことはないが，引火性などに注意が必要で余り勧められない．例えば，Na_2O-SiO_2-B_2O_3系では水が使えるがK_2O-SiO_2-B_2O_3系には耐水性がなく，この系の試料整形は困難である．なかには室内に放置するだけで潮解する試料もある．これら整形加工に耐えることが困難な試料には平行平板法の適用が望めない．