ディーゼル車の排ガス浄化触媒

摘要

ディーゼル車の排ガスに関しては，特に窒素酸化物（NOとNO{sub}2，総称してNO{sub}xと呼ばれる）と粒子状物質(particulate matter; PM)が問題になっており，現在，これらを対象に含めた排ガス規制が毎年のように強化されている．また，過去の緩い排出規制値しか満たしていない使用中のディーゼル車についても，東京都を始めどする首都圏の自治体では，最新規制並のきれいな排ガスとなるように，後付けの対策技術を施すこと．を義務づける条例を実施し始めている．これまでのディーゼル車の排ガス対策技術はエンジン改良が中心であ、つたが，特にPMを現在と比べて一気に75～85％も減らす次の規制（2005年施行）を満たすためには，90％以上の除去効率を持つディーゼルパティキュレートフィルター(diesel particulate filter; DPF)の導入が不可欠である．このため，自動車やその関連メーカーでは高性能で安価なDPFの開発に力を入れている．ここでは，DPF方式をベースとして，PMの酸化除去を促進する触媒の作用機構や種類を紹介する．