特集にあたって

摘要

今軌特集「永久磁石材料の開発最前線」を組むにあたって，その対象を，現行でかなりの規模で量産されているものと，話題性の高い磁石に絞り込hだ．したがって，例えば，アルニコで代表される鋳造磁石やSm－Co系の希土類焼結磁石は残念ながら割愛した．既に周知のごとく，我国における磁石製造産業はもはや凋落傾向にある．ボンド磁石（樹脂やラバーと磁粉との複合体成形磁石）の一部を除けば，各種磁石の最多生産国は今や中国である.ある工業分野において，後発国が先進国の生産量に追いっき追い越すのは歴史的必然である.自動車工業では，日本が米国を追いかけ，今や米国市場においてすら追い越そうとしている.かつての磁石先進国であった欧米諸国の自国における磁石生産量は年毎に微々たるものになってきているという.日本もいずれそうなるのであろうか？