レーザーCVDの実用化にむけて 特集にあたって

摘要

一方，筆者らは10~2W/cm~2程度の比較的低い強度でも，レーザーを走査したり，基板を回転·移動することにより，熱遮蔽コーティングや工具材への耐摩耗コーティングとして，大面積·複雑形状基板へも高速コーティングができること，さらに，超電導体や強誘電体などの機能性セラミックスの高速エピタキシャル成長もできることを示してきた．このレーザーCVDは，成膜速度が高速になるだけでなく，原料ガスが活性化され反応性が向上するため，膜の組成を精確に制御することができるようになる．例えば種々の組成のマグネリ相注）Ti_nO_(2n-1)や種々の組成のBa-Ti-O系化合物，さらにSiC-SiO_2コンポジットなど通常のCVDでは作製することが困難な材料の作製が可能である．また，柱状晶·羽毛状構造などの特異な構造を持つジルコニア膜や金属テープ上へのYBa_2Cu_3O_7膜の高速エピタキシャル成長も可能になる．本特集では，これらレーザーCVDによる材料開発のいくつかを紹介する．