疲労限度向上指針の金属べローズヘの応用

摘要

近年，地球環境問題あるいは省資源問題などの観点から自動車部品の軽量化による燃費向上は重要な研究課題である。 この課題を解決するためには自動車部品の疲労限度を向上させて，設計応力を高くする必要がある。本稿では，疲労破壊のプロセスと疲労限度向上手法を自動車部品のーつである金属ベローズに応用することによって疲労限度を大幅に向上させることに成功した例を紹介した。 本疲労限度向上指針が，板厚が0.13mmと非常に薄いステンレス鋼に対しても成立することが明らかになり，今後の更なる発展が期待される。 また，金属ベローズについても開発面では結晶粒のナノ結晶化，材料に関しては延性があってしかも高強度の材料の開発，ショットピーニングに関しては大量生産に適した製造装置の開発が望まれる。