民間航空機エンジンへのCFRP適用

摘要

民間航空エンジンの軽量化·性能向上のためにはエンジンの重量部位であるファンの軽量化が不可欠であり，繊維強化プラスチック（FRP）の適用が進hでいる．本稿ではこれまでの適用事例·課題について実例を交えて概観する．航空機機体およびエンジンにおける燃費向上は環境·エネルギー·資源問題の解決に大きく寄与する永続的な社会ニーズとしてあり，機体ならびにエンジンの軽量化につながる複合材がより適用されていく傾向にある．航空エンジンにおいては，重量比率が高い部位である「ファン」を中心としてFRPの適用が順次なされてきた．ファンブレードやファンケースなどの主要構造となるFRP部品の適用はボーイング777に搭載される推力10万ポンドクラスのエンジンからはじまり，現在は3万ポンドクラスエンジンにまで適用されるようになってきている．本稿では繊維強化プラスチック全体を「FRP」と記述しているが，炭素繊維強化であるCFRPを中心に扱う．