配管設備の安全性を支える新技術－配管·ポンプ·バルブ開発と腐食および洗浄：有機合成プラントにおけるGMP対応配管設計例

摘要

医薬品製造プラントには大きく分けて，薬の主成分となる原薬を製造する原薬プラントと，最終製品を製造する製剤プラントがある。 原薬プラントについては，化学合成により原薬を製造する有機合成プラントと，バイオ技術によるバイオプラントに分けられる。 有機合成プラントは，化学反応を利用する点や，プラント全体の工事量に対して配管工事量の割合が多いという点および消防法の適用を受けるという点で化学プラントに近いが，下記の点が違いとしてあげられる。 ① GMP (Good Manufacturing Practice)という医薬品の製造および品質管理に関する基準により，医薬品の品質を阻害しないように規定されたさまざまな指針に従うよう特別な配慮が求められる。 ②配管径が化学プラントと比較して細かく，配管資材量に対するダイヤインチが非常に多い。 つまり溶接箇所が非常に多く，工事手間のかかるプラントである。 実績例を図1に示す。 ここでは有機合成プラントの配管設計に関する特徴をあげ，どのようにGMPに対応しているか，その設計例を紹介する。 また，設計手法として3Dを活用することの有用性も紹介する。