各種産業に見る最新乾燥技術の実際：医薬品の噴霧乾燥技術－クローズドタイプを中心に

摘要

噴霧乾燥装置（スプレイドライヤ）は，約100年前にその原理がまとめられ，ヨーロッパを中心に発展してきた。 当初はミルクや洗剤など，一般家庭で消費される粉末製品の製造装置として利用されていたが，その特徴から，あらゆる産業の中間製品の製造装置としても，使われるようになっていった。 近年では，機能性を持った粉末製品の製造にも期待され，すでに多くのスプレイドライヤが，機能性粉末の製造装置として稼働している。 このように，単に乾燥だけを目的とした乾燥機と異なり，均質に調整された原料（液体原料）を微粒化し，乾燥させることのできるスプレイドライヤは，乾燥機というよりも，機能性の粉末製品を造る造粒装置として，位置付けられている。