乾式造粒機「チルソネータ」の装置概要と適用事例

摘要

チルソネータは2つの圧縮ロール間に原料粉末を安定的に供給する独自のシステムを採用し，粉末はこれらのロール間で連続的に圧縮されて密度の高いシート状，またはペレット状の成型物になり，その後，解砕·整粒機構により目的粒度の造粒品を効率良く得ることができる装置である。写真1にその外観を示す。用途は主に水分に不安定な原料，熱に弱い原料，軽質または流動性が低い原料，かさ密度が低い原料，他の装置では圧縮し難い原料を造粒することで，目的の粒度の造粒物や顆粒物を製し，ハンドリング性の改善や流動性の改善をする。とりわけ吸湿性が高く，湿気や熱により変性しやすい原料に適しているため，例えば，風味を大事にする調味料·粉末食品，サプリメント，人工甘味料，漢方·生薬などの加工に使用される。乾式造粒機の利点は，結合剤（バインダー）を加えることなく造粒が可能で，乾燥工程は不要となり，設備がコンパクトであるということである。造粒プロセスでは造粒と整粒操作は別々な操作として取り扱われることが多いが，プロセスを効率化するために，チルソネータは造粒と整粒の各単位操作を複合化した構造となっている。