CO_2資源化の原理·原則－CO_2の“求電子性”

摘要

二酸化炭素（CO_2）の“資源化”，すなわち，“CO_2 還元·有用有機物化”を志す筆者らは，かねてより，漠然とこの考え方（『CO_2の炭素原子の“求電子性”』）を有してはいたが，主たる理論的基礎は，“水溶存CO_2”の“カルボニル”の“部分分極”に基づき，“カルボカチオン化”する炭素原子と“求核剤”，具体的にはマイナス水素イオン（ヒドリド）やメチルアニオンとの反応とすることで，一応の満足を得ていた。“CO_2還元反応”の本質·実体に近付くには，理論武装も古典論（“水溶存CO_2”の“カルボニル”の“部分分極”に依拠する）の域を脱し，これからの化学（「新化学化時代」に相応しい）量子化学的理論武装が必要と判断し，今回は“資源化対象”であるCO_2の“求電子性”を，“量子化学的化学観”で追及した。