排水·廃液·土壌·地下水浄化対策：TMAH廃液の回収·再利用

摘要

循環型社会形式のための法制度の整備が進む中で，各工場ともゼロエミッションを目指し，クローズドシステム化により水資源や有価物の回収を図り，環境負荷の低減を実行している。 半導体／液晶パネル工場においても排出される濃厚な薬品廃液については環境負荷が高く，かつ処理が困難であるため，その有効な処理技術の早期開発が求められてきた。 このような背景から薬品廃液の効率的な排水処理技術や薬品の回収処理技術の開発が盛hに行なわれている。 現像液として一般に普及しているTMAH（水酸化テトラメチルアンモニウム）は，使用後現像廃液として排出されるが，従来は生物処理で処理して排水されるか，蒸発濃縮装置で濃縮して減容化されてきた。 しかし，今回われわれは蒸発濃縮装置でさらに高濃縮化することにより，使用後のフォトレジストを含む現像廃液から有効なTMAHのみを回収·再利用することに成功した。すでに実機を納入し現在も稼働中であるので，本稿では処理方法と当社の濃縮処理技術を紹介する。