分級·ふるい分け：トナー帯電の制御－帯電制御剤を中心に

摘要

電子写真プロセスは，パーソナルコンピュータやデジタル技術の進歩に伴って，アナログ複写機だけではなく，レーザプリンタやファクシミリなどにも広く応用されている。また，これまではモノクロが主流であったが，近年カラー化が非常な勢いで進hできている。 さらに,最近ではPOD (Print on Demand)分野への進出，拡大がターゲットの1つとなってきたために，印刷領域を視野に入れた，より一層の高画質化と高速化が要求されている。 このような高速化や高画質化実現のためには、トナーの帯電特性をこれまで以上に精密に制御する必要がある。 したがって，「トナーの帯電特性をいかに制御するか」ということは最も大きな課題の1つであり,トナー構成材科の申でトナーの帯電特性に最も大きな影響を及ぼす帯電制御剤(CCA)の帯電機構，作用機構をより一層深く理解することが今後，ますます重要になってくる。本稿ではまず，電子写真プロセスおよびトナーについて概観した後.トナーの最も重要な特性の1つである帯電特性に大きな影響を及ぼすCCAを中心に，研究開発の現状と今後の課題，方向等について考えてみたい。