新時代に始まる粉体産業の一層の発展を期して

摘要

粉体産業は，粉を扱う産業全般であり，広範囲に亘る。それを一言で言うならば“ものづくり産業”であろう。資源処理から一次産品の製造·加工·組み立てと最終製品製造，そして廃棄·リサイクルまでの各工程において,粉体技術は，扱われる粉の特徴を理解しつつ常にユーザーからのニーズに応えられることを使命とする。産業規模は，エネルギー換算にして，例えば,粉砕操作一つをとってみると，少し古いデータ（20世紀中頃）であるが全世界のエネルギー消費量の約3 %であり,他の粉体処理操作を加算すると，少なく見積もってもその数倍には達する。粉体産業の多くは，消費者には見えにくい場合が少なくなく,最終製品の下支え的存在ながら，要求されるニーズと期待は大きく，常に技術を磨くこと必要である。