〔エネルギー多消費産業等 低炭素社会実行計画を踏まえて〕化学産業の地球温暖化に向けた長期戦略と低炭素社会実行計画

摘要

本稿では，前段でこの「化学産業のあるべき姿」を紹介し，後段でこれまでGHG排出削減努力を継続している低炭素社会実行計画，及びフロン代替製造時排出削減活動の実績を紹介する。化学産業は，ナフサクラッカープロセスなどを始めとしてエネルギー多消費型の産業であるが，同時に生み出される各種製品がそのライフサイクルを通して温室効果ガス（GHG)排出削減に貢献しているというユニークな産業部門となっている。つまり，エネルギーを消費しGHGをある程度排出するが，生み出された製品はその使用段階で，従来品と比較するとエネルギー効率の良さや軽量化などにより，CO_2の排出が少ないという特徴を持っている。化学産業は，その製品は多岐に渡り，様々な分野でエネルギー効率の良い製品を生み出す力を持っており，いわば地球温暖化に対してソリューションプロバイダーの立場にあるといえる。