セメント回転キルンにおける省エネルギーとNOx削減可能性の調査

摘要

本報ではセメント回転キルンにおいていくつかの操作条件を変更することで省エネルギーとNOx削減の可能性が示されている。 省エネルギーはクリンカー冷却器の最適化とプレヒーターサイクロン塔の擬空気の削減によって実現され，NOx削減は第一焼成キルンと第二焼成カルサイナーの最適化によって達成された。 既存操作パラメータを調整することによって消費エネルギーが7.5％削減され，NOx排出が15％肖り減された。 セメント工業はエネルギー消費が多い産業で，生産コストの中に占める割合が45～55％と高く，また生産工程におけるエネルギー消費量は3,200～5,000〔kJkg~(-1)クリンカー〕にものぼる。 そのため市場競争で生き残るためには省エネルギーによるコスト削減が必要である。 そのために，操作変数の最適化が不可欠である。