メタノール蒸留工程における廃熱を活用した省エネルギーの取り組み

摘要

当名糖産業の主力製品である血渠増量剤「デキストラン」は，医薬品の原薬や添加剤，工業製品の原料，食品添加物などに広く使われており，日本では当社八王子工場で唯一生産を行っている。「デキストラン」製造において，これを沈殿析出させるためにメタノールを使用するが，メタノール蒸留塔で使用する蒸気は工場の蒸気使用量の1／4を占め，多量のエネルギーを消費している。そこで，メタノール蒸留塔から捨てられている廃熱に着目し，廃熱の熱エネルギーを循環的に利用することでエネルギー使用量の大幅削減を図った。各種検討の結果「温水ヒートポンプを活用した省エネルギー型メタノール蒸留設備」を導入した。導入に当たっては，公的な設備導入補助金の活用と金融スキームの工夫で，設備投資の軽減を図った。