地域の歴史·風土·資源を活かしたZEB庁舎の実現

摘要

雲南市は島根県東部に位置し，2004年6町村の合併により新しく誕生した。人口約4万人で，市役所新庁舎は2015年8月に竣工した。新庁舎は，「水を囲み，剣を纏（まと）う」をデザインコンセプトに豊かな森と斐伊川の恵み，たたら製鉄といった地域の歴史·風土を活かし，①鋼製剣ルーバーなどによる熱負荷の低減，②センターボイドを利用した自然通風·ナイトパージなど自然エネルギーのパッシブ利用，③木質チップ·地下水など再生可能エネルギー利用システムの三つを柱とした環境建築を実現することで，庁舎のZEB化を目指している。