省エネ計算ツールエネカルクVer.3：第2回 省エネ診断·報告への支援

摘要

エネルギー使用合理化専門員として中小企業の事業所を診断する際に，効率よくかつ的確な提案を常々こころがけている。ことにボイラー等の燃焼設備からの放熱が放置されているケースが多いが，放熱により生じる損失と改善対策の効果の経済的評価は，その成果が大きいだけにより正確な検討を必要としていた。『エネカルク』は1990年の初版から簡便な技術計算ソフトとして好評を得てきたが，このたびの『エネカルクVer.3』では計算ソフト（エクセル）の機能向上もあって，高度でかつ容易な操作の工夫が随所に見られる。操作性については，コード入力·テーブルツール利用によるシミュレーション計算の自動化がなされており，操作の簡易性確保と誤入力の防止が配慮されている。また，入力シートでは多くの設定セルがあるが，試算のつど入力を必要としない項目も多いので（例えば燃焼空気の温度，空気中の酸素濃度，環境温度など），実際の入力項目は多くない。以下では，診断報告書作成のツールとしての試用結果を報告する。