多方向走査線を用いた異方性材料の3次元構造解析法--X線CT画像への適用

摘要

本研究では，マイクロフォーカスX線CTにより3次元画像として構築された異方性材料に対し，多方向走査線による構造解析を行った。 解析をする際，用いる画像の國値は空気など解析対象以外の部分の密度とすることで,誤差を減らすことができる。 また，走査線の総長さは解析領域の少なくとも10倍以上とした条件のもとで行うことで解析対象のRVEを得ることができる。 これらの条件の下で，多方向走査線を用いた材料の異方性の評価をステレオネットを使って表現することで，材料の異方性の主軸方向やその集中度合いを適切に評価することができた。このような異方性材料の主軸方向は，材料の強度，透水や透気の異方性などと強く関連している。 今後,これらを数値化することで，材料の力学·透水特性と内部構造を関連付けた構成別の構築が可能となると考える。