単一アレイのサブハーモニック超音波フェーズドアレイSPACEの開発とステンレス鋼溶接部の閉じた応力腐食割れの高選択性映像化

摘要

閉じたき裂深さを計測できるサブハーモニック超音波フェーズドアレイ（Subharmonic Phased Array for Crack Evaluation: SPACE），は，閉じた疲労き裂や応力腐食割れ試験片に適用され有効性を示した。しかし，送信に耐圧性に優れたニオブ酸リチウム単結晶（LiNbO_3: LN）探触子，受信側にアレイ探触子を用いる（LN SPACE）ため，検査面が小さい場合，探触子のアクセスに課題があった。また，LN SPACEは粗大結晶粒を持つ材料において，き裂映像化の選択性が十分ではなかった。本研究では，小さい検査面にも適用でき，送信超音波を集束できる単一アレイSPACEを提案する。そして，原子炉実機と同様の高温高圧水環境下でステンレス鋼の溶接熱影響部（Heat Affected Zone: HAZ）にSCCを導入した試験片に適用することでその有効性を示す。