新たな非破壊検査·材料評価学の構築へ向けた革新的研究の推進を

摘要

会誌「非破壊検査」が創刊以来60年の還暦を迎えるとのことである。本会発足直前に，超音波分野では，日本学術振興会製鋼第19委員会に超音波探傷法協議会が設置され，産官学の専門家が結集して超音波探傷に関する精力的な研究·検討が行われ，その成果が「超音波探傷法」としてまとめられ，またJIS Z2344として結実した。本会発足時には，上記の研究活動を受けて，定款第5条の最初に「非破壊検査法に関する科学の研究」という表現が盛り込まれたものと思われる。今後も新たな素材·構造物·製品の開発，さらに社会状況変化に対応した，非破壊検査·材料評価を可能にする科学的研究が不可欠である。超音波非破壊検査·材料評価分野に限定して，革新性の高い研究·技術を紹介すると共に今後の期待を述べたい。