面内繰り返し曲げ変位荷重を受けるエルボ配管の多軸応力度を考慮した低サイクル疲労強度評価法開発の現状と課題

摘要

多軸応力場における疲労強度研究開発はエルボ配管にのみならず，構造物の低サイクル疲労評価の精緻化とその規格への反映において，極めて重要であるとの認識から，本解説では，著者が開発した評価手法を中心に，その考え方及び検証·評価結果を解説するとともに，多軸応力度による低サイクル疲労評価法開発の過程で明らかになった工学的諸知見について論ずる。なお実際の研究開発は試行錯誤の連続であるため，以下の解説では，必ずしも論文公表順とは一致しておらず，むしろロジックに沿った解説としている。また方法論の詳細は個々の論文を参照いただきたい。なお本解説の対象範囲は，日本国内の軽水炉の一次系配管の耐震設計用繰り返し数である60～300回程度の繰り返し領域であることを付記する。