酸化ビスマス系高屈折率光ファイバを用いた分布型水素漏えい検知センサの開発

摘要

近年，筆者らは白金担持酸化タングステン（Pt/WO_3）薄膜を石英系ファイバ上に固定化した水素センサデバイスの開発を行っている。しかし，空気中においてセンサデバイスに数十dB/mの損失が認められるため，理想的な分布型センサを実現するには至っていない。この損失の最も大きな要因として，石英ファイバの約1.5という屈折率に対してクラツドとなるPt/WO_3薄膜の屈折率が約2と非常に大きい点が挙げられる。つまりセンサデバイス自体の大きな光損失は，コアとクラッドの関係が逆転した屈折率構造に起因した放射損失等の増加によってもたらされているものと考えられる。そこで，本研究では近年開発された高屈折率光ファイバである酸化ビスマス系光ファイバを用い，分布型センサとして適用可能なセンサデバイスの開発を試みた。