7%Ni-TMCP鋼の特性と大型LNGタンクへの適用性

摘要

開発鋼は，国内においてはJIS G 3127 （低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板）にSL7N590として，海外においてはASTM A841（Standard Specification for Steel Plate for Pressure Vessels, Produced by TMCP）のGrade Gとしてそれぞれ規格化された。両規格とも，Ni量を6.0～7.5%とし，化学成分，製造方法以外はすべて9%Ni鋼（SL9N590, A553 Type I）と同じ規定である。なお，ASTMにおいては，強度レベルが従来の9%Ni鋼と同等であるClass 9に加え，より高強度のClass 10が規定された。設計規格では，ASME（Code Case 2736 for Div. 1, 2737 for Div.2）およびAPI（620 Appendix.Q）に登録されており，全世界で適用可能な状態である。本報では，開発鋼の各種特性評価結果を示すとともに，LNGタンクへの適用性を破壊力学に基づき検証した結果を報告する。