生産工程の弾力性強化への生産支援システムの貢献

摘要

本特集号では工場·プラントのこれからの高度制御技術の進化と活用についてさまざまな角度から検討されている。本稿では特にその省力化効果に焦点を当て，得られた効果をどのように活用すれば工場の生産性向上に貢献できるかについて考える。今回紹介するのは，装置産業（特に化学工業）における「技能」（技倆）と「弾力性」（生産工程にはその内外で発生する生産活動を撹乱するさまざまな信号を抑制する能力である弾力性（レジリエンス）が存在する）についての考察である。弾力性と工場における生産スタッフ（運転員，あるいはオペレータ）の技能とは深い関係を持ち，高い技能は弾力性を強化する。筆者は化学会社で生産工程におけるさまざまな生産支援システム（生産工程に設置されたコンピュータシステムで，その中に高度制御や生産スケジューリングの最適化，収集したデータの自動的な編集などが要素機能として含まれている）の開発に従事した。