化学工場にあける製造管理システムの適応～運用事例と評価

摘要

当社東亜合成の主力工場である名古屋工場は，苛性ソーダやアクリル酸エステルなどの汎用製品から，アクリルポリマや光硬化型樹脂などの高付加価値製品まで幅広い製品の製造を行っている。（写真1）今回MES（Manufacturing Execution System）を導入したポリマー課，アロニックス課は合計で200品目以上の製品を製造している。その製造工程は，手作業による計量や投入が含まれており，作業指示や実績の記録に紙が用いられていた。使用原料や作業順序などの確認は全て目視によって行われており，計量値や投入量の記録は全て手書きであった。そのため，原料の取り違いや計量のミス，作業手順の誤り，作業記録の間違いなど作業ミスが発生するおそれがあり，各作業の正確性は人に依存している部分が大きかった。