成長を続けるITS·道路インフらシステムの技術動向

摘要

道路を"安全"かつ"快適"，"円滑"に走行するためには，道路自体の整備だけでなく，道路照明の設置，事故や交通渋滞などの情報提供，トンネルなどの換気，スムーズな料金支払いなどが必要となる。 自動車の走行や道路利用者を道路側から支援する道路インフラシステムの概念を図1に示す。 日本における自動車の保有台数は約7,600万台（2002年5月末現在）に及び，国土の面積に対する自動車の存在密度は高い。 この結果として，事故や交通の集中による渋滞が発生しやすい状況にある。 また，山地が70％を超える国情もあり，地形的にも厳しいため，道路もトンネルや高架部分が多く，見通しの悪いカーブも見受けられる。 このような走行環境を改善し，運転をしやすくするために道路照明，トンネル内の換気設備や火災検知器，道路情報板，道路に沿った交通情報専用のラジオ放送用設備などの道路インフラ設備が設けられている。 これらの設備は道路際や道路上に分散設置されており，管制室や中央装置から遠隔監視·制御されている。 道路インフラ設備や中央装置は24時間365日連続運転されるため，信頼性が高く設計されているだけでなく，道路電源システムから安定して高品質な電力を供給されている。