信濃紙文化史（十五）第六章　信濃南部の紙文化-その2-

摘要

堀美作守親常の時代、殖産品の開発を重視した藩は、次々と新しい物産を創り、藩財政を豊かにしようと、藩民に働きかけた。また商人に対しては、市場性のある商品の知識を農民や職人に伝え、生産した物産を販売する市場を開設したり、他国に販売する問屋や流通業の中馬を使い、商品市場の拡大をはかった。特に延宝年代の終りから元禄六年頃の期間は、次々と新しい物産が飯田の市場に現われ、その中には、全国的な販路を持った商品がいくつかあった。