地域再生と公園のマネージメント

摘要

「大都市における公園の増大は,社会の自己保存本能の現れである」（F.L.オルムステッド）といわれるが，公害や大震災による激甚被害地城での地域再生をめざす市民運動や住民運動にかかわってきて，公園緑地のあり,方は常に重要なテーマとしてあった。 それは，環境面からの必要のみならず，地域の人びとのつながりを回復するという意味において，とくに重視されてきたとふりかえることができる。 公園というと多くの日本人はparkやgardenという英単語を思い浮かべる。 『イギリス·緑の庶民物語』（乎桧絃，1999.5）ほ，ロンドンの主な99公園からの分析であるが，そのうちの14公園が名称にcommonを優っている。 米国のボストン·コモンも有名な公園だ。 コモンは，日本語では「入会地」が近い概念であろうが，都市住民，とくに個人の庭を持つことができない貧しい人びとにとっての「入会地」はまさに公園緑地である。