経穴所解剖学デジタルアトラスの作成 安全な刺鍼のために

摘要

【目的】現在の鍼灸治療·教育においては、経穴とその周囲に存在する組織や構造を立体的に理解させるに足る十分な解剖学的情報ならびにその教育法がきわめて少ない。このため、われわれは、これを補うための臨床解剖学的教材を解剖実習用遺体を用いて作成した。 【方法】杏林大学解剖学教室において解剖を行った。 対象となる経穴は、臨床経験のある鍼灸師とともに、日本経穴委員会が作成しだ'標準経穴学'における取穴法に準拠して行った。 経穴を剖出する際、該当経穴周囲1cm角を範囲として表層から5mm毎に掘り進める方法をとった．重要な構造物が存在する箇所では5mm毎に関わらずその深度を表記した。 底面と共に周辺四面も高画素デジタルカメラを用いて高精細写真撮影し、可能な限り立体的に画像構成できるような工夫をした。 すべての画像データには解剖学的データを付属させ。 各画像の情報がコンピューター画面上で簡明に検索·閲覧可能なdigital contentsを作成した。