皮膚交感神経機能の評価を応用した鍼灸研究技法（1）交感神経性皮膚反応（SSR）と交感神経性皮膚血流反応（SFR）

摘要

皮膚交感神経活動（skin sympathetic nerve activity：SSNA）には主に汗腺を支配する発汗運動神経と皮膚血管を支配する血管運動神経が含まれ、各々は発汗と皮膚血流を調節し、体温の保持に重要な役割を担う。 発汗には温熱性発汗と精神性発汗があり、無毛部である手套や足底では精神的ストレスや感覚刺激にょり反射性に発汗が起こることが知られている。 交感神経性皮膚反応（sympathetic skin response：SSR）は精神性発汗と同じ現象を応用しており、末梢神経に電気刺激を加えた際に、手掌一手背間、足底一足背間に生じる電位変化を指し、発汗運動神経の間接的な機能評価法として用いられる。SSRは体性一自律神経反射のひとつで、その求心路は有髄の体性感覚神経であり、脊髄後根より脊髄内に入り、脊髄を上行し視床に達する。