慢性重症下肢虚血患者を対象とした自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生治療

摘要

閉塞性動脈硬化症は，動脈内膜の粥状硬化と内 膜の退行性変性により，特に腹部より遠位の大動 脈及び下肢の主幹動脈が狭窄や閉塞を来たし，慢 性の血行障害を来たすものであり，一方，バー ジャー病は，四肢の細い動脈に血栓閉塞性の炎症 を来たすことにより，慢性の下肢虚血症状を呈す る疾患である.閉塞性動脈硬化症またはバージャ—病が進展す ると，慢性重症下肢虚血状態に至り，下肢虚血患 部に激しい疼痛を伴い潰瘍?壊死を呈する.慢性 重症下肢虚血患者においては，薬物療法，或いは 経カテーテル的，外科的血行再建術後においても 予後がきわめて不良であることから，新しい治療 法の確立は社会的?医学的急務といえる.