グリーンイノベーションの基盤となるナノ構造制御触媒の開発研究

摘要

既存の触媒よりも高い性能·機能を有する"革新的触媒”の開発は，将来にわたる持続的成長社会の発展を図る上で必須な，低炭素社会を実現する上で欠くべからざるものである.2014年4月より開始した本プロジェクト研究では，2019年3月までの5年間にわたつて，"革新的触媒”の開発に求められる要素技術の確立を目指した研究を推進してきた.具体的には，バイオマス資源の有用化学物質への転換反応に活性な触媒や，炭化水素資源の環境調和型酸化プロセスに適用するための酵素模倣型錯体分子触媒，さらには有機-無機ハイプリッド触媒に関する研究を行ってきた.以下本稿では，2018年度の研究成果のうち，触媒活性を司る金属中心の反応特性を制御する金属支持配位子の効果について紹介する.