Ti-13 mass%Cr-0.1 mass%N 合金の酸素添加による熱処理挙動への影響

摘要

チタンとその合金は高い比強度，非常に良好な耐食性，さらに良好な生体適合性を示し，種々の構造を担う金属材料として魅力的であり，これらの特性を活かして，航空磯から医療棟器まで幅広い用途に使用されている。しかしながら，用途は広いがその使用量は多いとはいい難い。この主な原因として挙げられるものとして，産業界で利用される金属材料の中では比較的高価な点であろう。地殻表面埋蔵量は構造用金属材料としてはアルミニウム，鉄，マグネシウムに次いで4番目に位置し，資源としては「希少金属」の範疇に入らず，「普通の金属材料」となる。しかし，単位重量当たりの価格で比較すると，アルミニウム蠣マグネシウムの約10倍，鉄の約50倍となり，頻繁に使用できる「普通」の金属材料でなく，「希少金属」の仲間となってしまう。