編物構造複合材料の再生医療用スカフォールドへの適用（Ⅰ）--生分解性樹脂による編物構造複合杜斜の周発

摘要

PLLA樹脂繊推の高強度化およびこの繊維を用いた機械編みによる編み構造体の作製に関して検討した．作製した編み構造体の表面にPCL樹脂あるいは75/25PLGA樹脂をコーティングすることで，歯槽骨再生用の複合材料スカフォールド（かご型スカフォールド）を作製し，両者の力学特性及びPBSに浸漬したときの生分解特性を，引張り試験や圧縮試験により検討した結果，以下の知見を得た．（1）PLLA繊維の作製条件を検討することで，降伏強度が約200MPa，破断強度が約450MPaの高強度PLLA繊維が得られた．また，この繊維を用いて自動リリアン編機による機械編みで，かご型スカフォールドを作製することが可能である．（2）コーティングする樹脂の種類をPCL樹脂および75/25PLGA樹脂として，そのかご塑スカフォールドに対する付着率を変えることで，力学特性を制御することが可能である。かご型スカフォールドの引張り特性においては，降伏強度を約2N～11N，初期剛性を約4．5～170，圧縮特性においては，50％変形時の強度を約0．4～1N，剛性を0．5～1の範囲で制御することが可能である．（3）コーティングする樹脂の種類をPCL樹脂および75/25PLGA樹脂とすることで，かご型スカフォールドをPBSに第6週まで浸漬したときの生分解による力学特性の低下を制御することが可能である．引張り特性においては，降伏強度および初期剛性の低下を約70％～20％，圧縮特性におし互は，50％変形時の強度の低下を約55％～20％の範囲で制御することが可能である．また，歯槽骨再生用スカフォールドとしては生分解速度の速い75/25PLGA樹脂をコーティングした複合材料スカフォールドがより適している．