ユウロピウム添加縮合リン酸ランタンの作製と蛍光特性

摘要

近年、省エネルギー·高効率といった理由で、照明分野では蛍光灯から白色LEDへ、カラ十テレビなどのデイブプレイ分野ではブラウン管からプラズマディスプレイやLEDディスプレイへと移行し始めている。中でも、自色LEDは、省エネルギーかつ長寿命ということで、より一層普及することが考えられる。現在、商品として店頭に並hでいる白色LEDは、青色LEDと黄色蛍光体で構成されたLEDであるため、赤色領域の波長が乏しく演色性が悪い。代わりに演色性の良い紫外LEDと赤、緑および青色蛍光体で構成されたLEDが注目された。しかし、三郎の蛍光体の内、赤と緑の発光強度は青に比べて低いことから、青白い光になってしまうため、赤および緑色蛍光体の発光強度を高める必要がある。我々はEu~(3＋)を添加した希土類リン酸塩蛍光体の蛍光特性に注目した。Eu~(3+)イオンは母体結晶の種類に関わらず4相遷移による赤色発光を示すという特徴がある。また、母体結晶に用いた希土類リン酸塩の中でもオルソリン酸ランタン（LaPO_4）は三波長蛍光灯に使われている蛍光体の母体結晶の一つであることから蛍光体には適していると考えられる。しかし、縮合リン酸塩を母体結晶に用いた蛍光体についての報告はあまりされていない。そこで本研究では、かレソリン酸ランタンに加えて、縮合リン酸塩であるポリリン酸ランタン（La（PO_3）_3）およびウルトラリン酸ランタン（LaP_5O_(14)）を母体結晶に用いた赤色蛍光体を作製し、蛍光特性を評価した。また、蛍光体自身の薬品耐性としてフッ化水素酸に対する耐性を評価した。