ニ価および三価の希土類トリフラー卜を用いる炭素-炭素結合生成反応

摘要

サマリウム（II）トリフラートを用いることで，オルト置換-ホルミルフェロセンのピナコールカップリング反応の立体選択性が劇的に改善された。この研究の発端となった，オルトーホスフィン置換ホルミルフェロセンの反応においても，その立体選択性はヨウ化サマリウム（Ⅱ）を用いた場合より高いという知見を得ている。この結果に関しては，後日まとまった研究として報告する予定である。最初の報告から約10年間放置され，研究がほとhど進展していなかったサマリウム（Ⅱ）トリフラートではあるが，新たなる境地を切り開くことが出来たとしたら幸いである。すでにありふれた反応剤となったスカンジウム（III）トリフラートではあるが，本研究の三成分連結反応のように，意外性のある反応がまだ潜hでいるかもしれない。