ラテックス改質速硬コンクリートを用いた道路橋床版の長寿命化の取組み

摘要

わが国の道路インフラは高度成長期に集中的に整備されたことから，今後，急速に老朽化することが懸念されている。その中でも，車両の輪荷重を直接受ける鉄筋コンクリート床版の劣化損傷が問題となっている。従来，道路橋床版（以下，床版と略）の劣化は車両による繰返し変動荷重が作用することによって損傷が進行する疲労問題として捉えられてきた。しかしながら，近年は凍結防止剤の散布にともない，塩害やASR，凍害等のコンクリートの材料劣化と車両の繰り返し荷重が複合することで生じる新しい劣化が顕在化している。そのため，既存の床版を長寿命化するためには，力学的射性能改善に加え，水や凍結防止剤等の劣化因子の侵入を防止することが重要となる。このような技術的要求に対し，速硬コンクリートとゴムラテックスを組み合わせたラテックス改質速硬コンクリートを，既設床版の舗装に適用することにより解決しようとするのが本取組みの主旨である。