有機系コンクリート表面被覆材

摘要

現在まで，コンクリートは高い耐久性や原料入手の容易性，経済性からコンクリート構造物の主材料として土木分野で多く使用されてきている。建築物やトンネル，道路，橋梁，ダムなどに使用されており，コンクリート構造物のストック量としては非常に大きなものとなっている。しかし，コンクリート構造物におけるひび割れ等の早期の劣化現象が報告されるようになり，この早期劣化現象の要因としては，塩害による鉄筋腐食，アルカリ骨材反応などが挙げられる。この現象はコンクリート表面に発生した微細なひび割れが原因となり，結果としてコンクリート全体の劣化を早めることとなっており，コンクリート構造物による社会資本の整備，維持管理に対して非常に重大な影響が考えられる。平成11年には建設省，運輸省，農林水産省の共同によるコンクリートの耐久性向上を目的とした「土木コンクリート構造物耐久性検討委員会」も組織されるなど，現在までコンクリートの耐久性向上について研究は多くなされている。