福岡県日本医師会会員を対象とした「医療の分に関するアンケ—ト調査報告書 「新しいチ―厶医療体制確立のためのメディカルスタツフの現状と連携に関する包括的調査研究班（厚生労働科研)」

摘要

近年対象患者の高齢化，疾病の複雑さのゆえに医療 は益高度化し，医療者の業務は増大，現場の医師-看護師はさらなる過重労働に喘いでいる.とくに高度 の技術-判断力が要求され，また常に死と背中合わせ の仕事で強いストレスにさらされ，かつ労働時間の長 い診療科では若手医師の新規参入は減少し，現場の医 師の疲弊は更にひどく，限界にきている.実際，日本外科学会では20年ほど前から新規参入者が減少に転 じ，特に地方における外科医の減少，さらに新臨床研 修制度兖足による若手医師の偏在化により外科臨床現 場の労働環境は悪化の一途を迪つている.日本外科学 会が2011年に行つた労働環境に関するアンケート" では，全体の労働時間平均77時間/週，30歳代の若 手医師では92時間/週，40歳代で84時間/週と，労 働基準法で定められた適正な労働時間の2倍以上働いているとの結果が出た.