もう一度基礎から学ぶ·WMS痛快講座（連載(5)）：ERP連携からロジスティクスERPへ－次世代WMSへの道

摘要

近年，ロジスティクスシステムの多くはERP（基幹業務システム）との連携をなくしては語れない。 多くの企業が汎用機にて築いてきた自社の基幹業務をクライアントサーバーで動くERPパッケージに置き換えるというブームが始まって，かれこれ7～8年になるであろうか。 ERPは受注から調達，生産，輸配送，販売に至るまで，企業における一連の業務の流れとそれらを支える管理業務を扱う情報システムのパッケージであり，人事業務や営業業務支援機能も備えられている。販売，生産，会計の業務モジュールがデータベースを介して統合されており，サプライチェーンの業務と会計機能が統合されていることが特徴である。しかし，各業務機能を横断的につなぐロジスティクスに関わる機能においては，ものの動きとは連動の取れない計算機上のデータの管理機能のみで，現実のものの動きをつかさどる機能が弱く，多くの場合，実行系システムとの「システム連携」を図ることが多い。その代表的な仕組みがWMS（倉庫管理システム）やTMS（輸配送管理システム）である。