MRIによる胆囊癌の鑑別診断と進展度診断

摘要

胆囊癌におけるMR画像診断の役割は，濃染パターンと形態学上の特徴を用いて行う 鑑別診断，癌の進展度診断，とくに隆起性病変の基部における漿膜下浸潤の有無を判定する 深達度診断に大別される。その際，MR撮像は高い濃度分解能を活かしたMR cholangiography (MRC)とダイナミック撮像が基本となる。鑑別診断では病変を隆起型と壁肥厚型，腫瘤 形成型に分類し，鑑別対象疾患を想定して診断する。癌は新生血管と間質の両者を反映した遷 延性濃染パターンで特徴付けられる。深達度診断では隆起性病変基部の遷延性?遅延性濃染が 漿膜下浸潤を示唆する。さらに近年，拡散強調像は悪性腫瘍検出に広く応用され，胆道系疾患 評価における有用性が報告されている。US， MDCTに加え，MRは胆囊癌評価の有用なモダ リティーである。