ちょっと気になる胆·膵画像一ティーチングファイルから一（第2回〉重複胆囊に生じた胆囊癌

摘要

51歳女性。人間ドックの腹部超音波検査で上腹部腫瘤を指摘され，当院を紹介受診。撮像された腹部CT において，胆囊に接して径4 cm程の充実成分を含む囊胞性腫瘤を認めた。腫瘍マーカーはCA19-9が66.6U/m/と中等度増加，CEAは1.3 ng/m/で正常範囲内であった。造影CTでは胆囊頸部に壁の腫瘤状肥厚が観察される（図la)。それより下方（図lb)では胆囊の背側に囊胞様腫瘤（矢印）があり，その一部に淡く不明瞭な造影効果が認められる（矢頭)。斜矢状断（図lc)では，腹側の胆囊と背側の囊胞様腫瘤が，胆囊頸部の腫 瘤状肥厚部分を介して連続しているようにみえる(矢印)。