潰瘍合併早期胃癌の画像診断潰瘍合併早期胃癌の内視鏡診断

摘要

早期胃癌において，内視鏡治療で根治できる症例は多くなつたが，潰瘍 合併早期癌はいまだ内視鏡治療を困難にしている.筆者らは，陥凹型早期胃癌に対して内視鏡治療，もしくは外科的切除術を行つた患者をretrospectiveに 検索し，潰瘍合併早期胃癌の特徴について検討を行った.潰瘍合併早期胃癌 は，非合併早期胃癌と比べて年齢が低く (p< 0.0001)，病変のサイズが大きい ものが多く (p<0.0001)，深達度もSM癌の割合が高く （p<0.0002),未分化 型の癌の割合が高かった.また，内視鏡診断と病理組織診断による潰瘍合併の 有無の診断一致率は，89%と高い結果であつたが，不一致の内容としては， 内視鏡診断で潰瘍合併を見落としている症例が多かった(17例vs9例).