救命救急医療におけるsepsis患者に合併した急性肺障害に対するシベレスタットナトリウムの使用経験

摘要

1991年に感染によるSystemic Inflammatory Response Syndrome（SIRS）がsepsisだと定義されて以来，集学的治療の進歩やコメディカルの技術向上などによってsepsisの死亡率は減少してきているものの，いまだ高率であるため，sepsisの死亡率の更なる低下をめざしてSurviving Sepsis Campaign guideline2008が発表された。 Sepsisに合併する臓器障害の中でも急性肺障害（Acute Lung Injury：ALI）の発症頻度は高く，ALIが重症化しAcute Respiratory Distress Syndrome（ARDS）にまで増悪してしまうと治療に難渋し，患者の不利益になるだけでなく医療費の増加という問題にもなりうる。 したがって，ALIをはじめとしたsepsis由来の臓器障害に対しては，早期段階からの積極的な治療介入が必要である。