イミキモド誘発乾癬様皮膚炎モデルマウスに対する マキサカルシトール/ベタメ夕ゾン酪酸エステル プロピオン酸エステル配合軟膏の作用

摘要

マキサカルシトール（MCT)/ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル (BBP)配合軟膏の薬効発現機序を明らかにするために，ィミキモド（IMQ)誘発乾癬 様皮膚炎モデルマウスに対する作用をMCT軟膏，BBP軟膏およびカルシポトリオ一ル (CAL)/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル（BDP)配合軟膏と比較検討した。マウ ス背部皮膚にIMQを反復塗布することで乾癬様皮膚炎を誘発した。MCT軟膏，BBP軟 膏，MCT/BBP配合軟膏およびCAL/BDP配合軟膏をIMQの塗布開始翌日から経皮投 与し，経日的に皮膚炎スコアを測定した。また，背部皮膚中における乾癬の病態形成に 関連する因子のmRNA発現量を測定した。MCT/BBP配合軟膏は，各単剤よりも，本 モデルにおける皮膚炎発現，炎症性メディエーターの発現増加ならびに表皮増殖および 分ィ匕マーカーの変動を強く抑制した。また，類薬であるCAL/BDP配合軟膏もMCT/BBP 配合軟膏と同じ作用を示した。以上の結果から，MCT/BBP配合軟膏は，乾癬の病態形 成に関連する因子の発現調節を介して，本モデルマウスでの皮膚炎の発現を抑制する可 能性が示唆された。